EXHIBITIONS

林 樹里 あらわれの手前、さわりをすくう

FUTURE

2026.2.7 [sat] – 2.28 [sat]

YUKIKOMIZUTANI

林樹里 風とおる庭[shimogamo] 530×727㎜ 雲肌麻紙、金箔、墨、岩絵具 2025

YUKIKOMIZUTANIでは2026年2月7日(土)から2月28日(土)まで、林樹里個展「あらわれの手前、さわりをすくう」を開催いたします。林樹里はこれまで「おのずから現れるもの」、「うつろうもの」をテーマに制作を行ってきました。江戸時代の琳派の作品に見られる「にじみ」や「たらしこみ」の技法研究を起点に、「自然(じねん)」の思想に関心を寄せ、「みずから」が描く行為と、画材が「おのずから」生む現象の間を往来し、自然と対話するように制作しています。

 

YUKIKOMIZUTANIで初の個展となる本展では、これまでの「さわり」シリーズのように、琳派作品に見られる「おのずからなるもの」(自然に委ね、任せる精神)を軸に据えつつ、江戸から明治にかけて隆盛した文人文化に思いを馳せ、旅を通して得た体験をもとにした新作を発表いたします。「さわり」とは三味線音楽の用語で、雑音成分を指すと同時に、音や物事の要となる部分を意味する言葉です。各地を訪れ、その土地ごとに林自身の内側に立ち上がる空気や音の気配を「さわり」と捉え、それらを楽譜のように絵に留めた新シリーズを是非ギャラリーにてご高覧ください。

 

作家ステートメント

 

沈黙が聴いている.
世界が形や意味として立ち現れる以前
自然はすでに静かに響いている.

 

かつての文人たちがそうしたように
私は各地を訪れ
その場に身を委ね 描く.

 

旅に出る前から
その気配は立ち上がり
まだ見ぬ情景は 前夜 私へふいに近づいてくる.

 

描く時 私は自然が為す時間のそばにあり
ときに呼びかけながら
そのあらわれの手前にある微かな“さわり”を
すくうように譜す.

 

作品は私と自然のあいだを行き来した痕跡となる.
そして ひとたび作品となったのち
楽譜のように 再び新しい響きをもたらす.

みなもに浮かぶ 455×530mm 雲肌麻紙、錫箔、墨、岩絵具 2025

みなもに浮かぶ 455×530mm 雲肌麻紙、錫箔、墨、岩絵具 2025

Echoes of the rain no.2 273×160mm 雲肌麻紙、金箔、墨、岩絵具 2025

Echoes of the rain no.2 273×160mm 雲肌麻紙、金箔、墨、岩絵具 2025